同じこと言うなっ!

「ある武士の侍が馬から落ちて落馬して女の婦人に笑われて顔を赤く赤面した」

 むかしよく、同じ意味のことを使うと、この例えをもれなく付けて「同じ意味だ」と母に指摘されました。

 野球の中継でも「第一球目!」と使う人がいますが、「第」も「目」も順番を表す言葉ですから、「第一球」か「一球目」のどちらかで、「第」と「目」が同時に登場することはありません。意外とこうしたコトバの使い方は見逃されていて、「最後の追い込み」「伝言を伝える」「犯罪を犯す」など、探すとたくさん出てきます。ちょっと考えるとわかることなのですが、「追い込み」は最後の方でしかやらないものですから、「最後」はいりません。伝言は「言」を「伝える」とわざわざ漢字で書いてあります。ですから「監督の“伝言を”伝えに行く」ではなく、「監督の“指示”を伝えに行くわけですよね。「犯罪を犯す」見たまんまです。

 こういう間違った表現を「二重表現」と言います。ほかにも、「過半数を超える」「あとで後悔する」「家賃がいまだに未納」「かねての懸案」などはみんなそうです。意外に多くの人が気づかず使っているのが「違和感を感じる」ではないでしょうか。だって、違和「感」なんですからね。「違和感」と使うなら「覚える」でしょう。

2021-04-06 | Posted in UncategorizedNo Comments » 

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