セキセイインコ

セキセイインコはオーストラリア原産です。

 ジャングルとかではなく、もともと荒涼とした大地に住んでいるんだそうです。

私は子供のころからトリを飼っていました。最初はジュウシマツで、次がセキセイインコ。種類が変わったのはジュウシマツは「手乗り」にならなかったからです。

 スズメを捕まえてやろうと思ったこともありました。顔を見てやろうと思ったのです。窓枠近くに餌を撒いておいて、外から「わっ!」と驚かすとスズメが家の中に飛び込む。そこで窓を閉めて、時間をかけて捕まえました。

離れてみていると可愛らしいスズメですが、いざ捕まえて顔を見ると、目が怖い…。捕まえられて怒っていたのかもしれませんが、確かにアレは「野生の目」でした。二度ほど頭をなでて放してやりました。

一方、セキセイインコは長く人に飼われてきたからなのか、目に『トゲ』がない。優しい目をしているんですよね。闘牛に出るウシも、普段牛舎で見ると実に優しい目をしている。それが闘牛場に行くと、「野生の目」に変わります。

さて、セキセイインコって漢字でどう書くかご存じでしょうか。

「背黄青鸚哥」と書きます。「鸚」の読みは、ヨウ、オウ・インと3つあります。オウムは、漢字で書くと「鸚鵡」です。

「鸚」の左側の「嬰」は辞書によると“首飾りを廻らすこと”とありますから、オウムやインコたちの見た目そのものですよね。「鸚哥」のあとのほうの「哥」の字は「歌う」の古字ですから、意味とすれば「派手な格好をして歌うトリ」ということになります。

オウムも漢字で「鸚鵡」と書きますが、「鸚」の字を「オウ」と読んでいます。

問題は「背黄青(セキセイ)」のほうです。

ペットショップに行けば一目瞭然ですが、セキセイインコの姿には多種多様な色の組み合わせがあります。どうやら、明治時代、日本に初めて連れてこられたときのセキセイインコが「黄色と青の組み合わせ」だったらしいんですね。そこで「背」が「黄青」で、「背黄青鸚哥」となったようです。ですからオーストラリアに行って「ほら、あそこにセキセイインコ!」と叫んでも通じません。現地では「budgerigar(bʌ́dʒəriːɡὰːr)」です。

ちなみに在来種のセキレイという小型の鳥は漢字で「鶺鴒」と書きますが、「鳥」の横にある字は「脊」と「令」。「脊」は“背骨”のことで、「令」には「立派な」という意味がある。セキレイというトリは、尾を上下に振るのが特徴です。まさに姿勢のいいピンと背を伸ばした姿が漢字の「鶺鴒」から見えてきます。そう考えると、初めて見る鳥に漢字を当てはめようとした人は、休むことなくピーピー歌うカラフルな鳥に、悩んだ末に見た目から「背黄青」と「漢字名」をつけたのでしょう。

ところで、セキセイインコは、群れで暮らす鳥です。寒さにも結構強いし、沖縄などは天国です。東京ではインド原産のワカケホンセイインコ(緑色)が逃げて野生化し、普通に飛び回っています。どこかで在来種に悪影響を与えていることは間違いありません。

沖縄でも、大型のオウムの仲間・キバタンが逃げて繁殖していたことがあります。宮古島でクジャクが野生化して農業被害が出ているのは最近のニュースです。野生で繁殖してしまったらその時点で「野鳥」です。島で暮らす在来種は外からの刺激に弱いのが基本です。ペットで買うなら最後まで、自分の見える範囲で飼ってあげないと、自然への犯罪になってしまいます。

ちなみに、今我が家にいるセキセイは白と青の組み合わせ「背白青鸚哥」です。

2021-01-22 | Posted in UncategorizedNo Comments » 

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