沖縄のニシ

 沖縄というと「亜熱帯」「日本で最も南の県」というイメージが強いですよね。

 ところが、沖縄が「最も北」であるというと驚かれるでしょうか。

 コーヒー、紅茶は沖縄が「北限」です。植物ではインドやマレー半島原産とされているデイゴは沖縄が北限、沖縄県の県花です。絶滅が危惧されているジュゴンも沖縄が北限。昔は「ザン」と呼ばれて、中国皇帝が琉球国の新王を国王として認める使節・冊封使の接待料理にも供されました。

 蝶や蛾の仲間、魚などにも沖縄が北限とされるものは多くありますが、温暖化が進む中、羽がある生き物は海を渡って生息域を広げ、泳げる魚はどんどん北に「進出」し、サンゴ礁も千葉県沖に出来たりしています。

 逆に、「沖縄が南限」とされるものが、どんどんなくなってしまうのではないでしょうか。備長炭の原料として有名なウバメガシなどは、10年後の沖縄に生えているかどうか心配です。

 ちなみに沖縄(本島)では東は「あがり」南は「フェー」西は「いり」で、北は「にし」です。宮古、八重山の方言では少し違いますが、基本は同じです。戦後沖縄の芸術文化再生の拠点となった「にしむい美術村」は、今の那覇市首里儀保にありましたが、「西森(にしむい)」と書くものの、本来は「北森(にしむい)」なのです。だから沖縄の「西」から始まる地名は、西にあるとは限りません。

2021-01-19 | Posted in UncategorizedNo Comments » 

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